説明


2011年3月11日東日本大震災ではあまりに多くの方が数多重被災されました。衷心よりお悔やみとお見舞を申し上げます。

みやぎジョネット(みやぎ女性復興支援ネットワーク)は、東日本大震災を受け、被災地女性と全国支援者の思いを結ぶことを目的に 発足したNPO団体です。各種支援プログラムにより、お一人、お一人の女性が今後の生活を新しくつくっていけますように、ひいては皆の光となることを願い支援してまいります。また、女性のニーズを調査し、政策へ提言いたします。       ―みやぎジョネット会員の多くは被災女性です―

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2011年8月16日火曜日

子どもたちに想いを馳せて

先日、小さな包みを受け取りました。
中に、お便りが入っていました。

 少しですが、新潟県佐渡市立金泉小学校の6年生(9名)と担任○○で集めたタオルです。
 少し古い物もありますが未使用です。使っていただけたらうれしいです。

ジョネットでは早速、ジョネットバッグ(プレゼントを詰めたバッグ)の中にこのタオルをお入れしました。お届け先は、気仙沼市立階上(はしかみ)中学校体育館で避難生活をされている方々です。
小学生の皆さんが集めてくださった支援物資であることをお話しして差し上げました。

 私は大島の出身です。
 人生半ば過ぎ(このように過酷な体験をして)夢も希望もないけれど、
 子供達の事を祈りつつあります。
 プレゼントありがとうございます。
 今日は楽しく過ごしました。

このお便りを金泉小学校6年生の皆さんに書いてくださった方は、82歳の女性です。
今まで、わかめ干しの仕事をずっと一生懸命されてきました。
気丈な方とお見受けしました。
だれともいさかいせずに、和やかに暮らしてこられました。
今日のジョネットサロンでは、軍手を使った人形作りに参加されましたが、
作品は、「わかめ干しファッション」と題して下記に写真を掲げました。
「髪をちゃらちゃらさせては仕事にならない。こうしてギリッと結ばないとわかめ干しはできないの。これがわかめ干しファッション。」と説明してくださったのです。

地震が起きたとき、女性は夫と二人で自宅にいました。2階に上がりました。
揺れが未だ収まらないうちに真っ黒い海が襲ってきました。
家がふわっと浮きました。自分の体もふわっとなりました。
天井から色々なものが落ちてきました。
その1つに「しっかりつかまれ。しっかりつかまって放すな」と夫に言われました。
家の窓ガラスが割れ、そこから、夫も自分も放り出されてしまいました。
すぐに夫の声が聞こえなくなりました。
この女性は、しっかり目を開けて流されていった場所を見ていました。
その途中、近所の人たちの「たすけて、助けて」という声が聞こえました。
男の人も、女の人も、「助けて」と叫んでいました。
2㎞ほど流されて救助され、救急搬送されてから肋骨骨折していることがわかりました。
流されている時は気づきませんでした。
女性の体に触れたら、2箇所、ポコッとでっぱりができていました。

夫は、ロープが絡まった遺体で、早い時期に見つかりました。
女性は不幸中の幸いと仰いました。

病気で寝ていた夫に、地震の少し前、寒くなってきたので防寒着を着せました。
胸ポケットに、前の日に行った病院の診察券とおつりの小銭が入っていました。
これで、本人確認ができ、引き取ることができたからです。

女性は、未だにとても苦しんでいます。このお話をされる間中、涙を拭っていました。
近所の人たちの「たすけて」と叫ぶ声が、今も聞こえるのだそうです。
「どうしてやりようもなかった…」と。
それで、夢も希望も持てないのだそうです。
「昔は、私なりの字ではあるけれどもっと達筆だったの。汚い字になってしまって」
と言って皆さんへのお便りを書いてくださいました。
私はこの時の女性の目を忘れられません。とても強く訴える眼差しでした。
そして何度も何度も、子どもたちにくれぐれも伝えてほしいと言われました。
子どもたちの幸せを願っていること、感謝の気持ち一杯でいることをです。  mom.jonet

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