説明


2011年3月11日東日本大震災ではあまりに多くの方が数多重被災されました。衷心よりお悔やみとお見舞を申し上げます。

みやぎジョネット(みやぎ女性復興支援ネットワーク)は、東日本大震災を受け、被災地女性と全国支援者の思いを結ぶことを目的に 発足したNPO団体です。各種支援プログラムにより、お一人、お一人の女性が今後の生活を新しくつくっていけますように、ひいては皆の光となることを願い支援してまいります。また、女性のニーズを調査し、政策へ提言いたします。       ―みやぎジョネット会員の多くは被災女性です―

to ENGLISH Page

保健室プロジェクト

錯綜していた頃のメールを拾って  by mem.jonet



1)精神保健分野等の情報 橋本様より

皆様
 橋本です。精神保健分野等の情報です。
尚、以前から何回か添付している女性・子ども等の立場に立った災害対応についてのまとめ#5も添付します。
少しですが情報更新とわかりやすいよう色を付けるなどの工夫をしてみました。
ご活用いただければ幸いです。

これから避難生活が長期化していく中で直後とは違ったニーズや困難が予想されます。
経済事情により避難生活に差が出ているとの報道もあります。
すべての方々への支援が必要ですが、より避難所にいる被災者の方々への支援を厚くしていく必要があると思います。
まだまだ物資が必要なところもありますが、今後は支援の質も大切です。
物資が届くと、報道等の関心が薄れてしまうことが心配です。
現在頑張っている被災者の方々や支援者のバーンアウトも気になります。

★子ども・発達障害
・(がんばれ!!小さき生命(いのち)たちよ) 災害時の母乳育児支援の情報
 http://blogs.yahoo.co.jp/nicu_sp25/8449626.html
・(児童精神科医 菜央@こころの小枝) こどもたちと地震報道
 http://bit.ly/8Y1cr5
 ・(king1234stone )自閉症や発達障害の人に震災時・避難時何をどう伝えるか聞くか
 http://togetter.com/li/110662
 ・(国立障害者リハビリテーションセンター)災害時の発達障害児・者支援について
 http://www.rehab.go.jp/ddis/
 ・(日本自閉症協会) 防災ハンドブック
 http://www.autism.or.jp/bousai/index.htm
★心のケア
・(心理学 総合案内 こころの散歩道)東北地方太平洋沖地震の災害心理学命と心を守るために
 http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/saigai/2011sanrikuoki_eq/index.html
 ・(兵庫県こころのケアセンター)サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き
 http://www.j-hits.org/psychological/index.html
★精神関連病院・作業所等
  ・(ACT全国ネットワーク) 被災地の精神科病院の情報
 http://assertivecommunitytreatment.jp/ph/
・(日本精神科病院協会) 東北地方太平洋沖地震 精神科病院被害状況
http://www.nisseikyo.or.jp/home/saigai/0307_1700.pdf
・(日本透析医会災害情報ネットワーク) 北海道・東北・関東で透析可能な病院一覧
 http://www.saigai-touseki.net/sendsdata/total.php
 ・(きょうされん)作業所・施設の復旧・復興にご支援ください【東北関東大震災】
 http://www.kyosaren.or.jp/news/2011/sinsai.htm
 ★障害・福祉関係団体
・(DPI女性障害者ネットワーク) [暫定版]障害がある被災者について知っておいてもらいたいこと
 http://dpiwomen.blogspot.com/
・(日本発達障害ネットワーク(JDDネット)  災害情報掲示板
 http://jddnet.jp/index.files/archives2011/news20110313.html
 ・(日本自閉症協会) 「東日本大震災」支援専用ページ
http://www.autism.or.jp/cgi-bin/saigai/
・(日本障害フォーラム(JDF))被災障害者等への特別支援に関する緊急要望書
 http://www.normanet.ne.jp/~jdf/yobo/20110314.html
・(日本障害者リハビリテーション協会) 障害者と災害-障害者が提言する、地域における協働防災のすすめ
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/disaster/2007seminar_houkoku/
・(愛知ネット) 地域で進める災害時障がい者支援ガイドラインの巻き
 http://hiromoto.seesaa.net/article/190582607.html ★その他お役立ち情報・資料など
  ・(#311care)被災者と支援者のための医療情報
 http://akkie.mods.jp/311care/
・(愛知ネット) 地域で進める災害時障がい者支援ガイドラインの巻き
 http://hiromoto.seesaa.net/article/190582607.html
 ・(兵庫県立大学大学院看護学研究科21世紀COEプログラム)
 被災後に避難所で生活される高齢者とご家族の方へ 災害からの復興に向けて─避難所での健康と生活─
 http://www.coe-cnas.jp/group_senior/manual/pdf/senior_hinanjyo.pdf
・(医学書院) 災害被災地におけるプライマリ・ケア
 http://ht.ly/4dYsC
 ・(時事通信出版局)iPhoneアプリ「家庭の医学」無料でダウンロード
 http://itunes.apple.com/jp/app/id418302395?mt=8
・(日本障害者リハビリテーション協会) 障害者と災害-障害者が提言する、地域における協働防災のすすめ-
 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/disaster/2007seminar_houkoku/
 ・(兵庫県立大学大学院看護学研究科21世紀COEプログラム) 災害看護/東北地方太平洋沖大地震
 http://www.coe-cnas.jp/
 ・(立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点)人工呼吸器
 http://www.arsvi.com/d/v03.htm
 ・(ゆき.えにしネット) 応援の手引き
 http://www.yuki-enishi.com/challenger-d/challenger-d68.pdf
 ・(KVネット) 東北地方太平洋沖地震被災地でボランティアしたいと思っている方へ
 http://www.kvnet.jp/touhoku_jishin.html
・(厚生労働省)
 東北地方太平洋沖地震により被害を受けた社会福祉施設、医療機関等への災害復旧のための貸付について
 http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=161821
 ・(厚生労働省)東北地方太平洋沖地震に伴う労働基準監督署、ハローワークの 開庁状況について(第5報)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=161829
・(厚生労働省)
「平成23年東北地方太平洋沖地震等におけるボランティア・NPO活動支援のための募金」について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=161831
 ・(厚生労働省)東北地方太平洋沖地震のボランティアを希望している皆様へ
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=161833・(厚生労働省)
 ・東北地方太平洋沖地震により被害を受けた社会福祉施設、医療機関等への災害復旧のための貸付について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=161821
 ・(TOTO)断水・給水制限・停電時のトイレ使用について
 http://www.toto.co.jp/News/dansui_teiden/   
以上。

以下は上記メールに添付の資料

「災害時の女性・子ども・障がいをお持ちの方・外国籍の方等の視点に立った支援について」
文責:橋本真佐子(東京社会福祉士会子ども家庭小委員会・東京PSW協会災害ボランティア委員会)
この文章は、いくつかのMLやHPなどから頂いた情報で転載可能とされたものを集めて、基本情報とさせていただきました。もし転載可能でないものが入っていたら、橋本のミスによるものです。申し訳ありません。
非常時なので、出来るだけ多くの情報を分かりやすくとまとめるようにしてみました。正しくない情報や間違いがありましたらお知らせください。また付け足した方がいいという情報もお寄せください。出来るだけ新しい役立つ情報をお伝えできるようにしたいと思います。表現や言葉の足りないところは、ご容赦ください。

◆避難所
・リーダー:男性のリーダーと女性のリーダーを置く。情報は共有する。
・相談:保健所の保健師等が現地に入り避難所を廻ると思われます。相談については内容を把握できるように共通の記入用紙を使えるといい。特に要望については避難所や地域のリーダーや責任者に伝わるように工夫をする。また話しにくいことでも話せるようにプライバシーを確保した場所でも相談を行えるような相談窓口を開設する等の工夫が必要。話にくい人へや話したくないことは話さなくてもいいという情報も伝えたい。
・心のケア:子どもたちには遊びが必要です。安全に遊べる場を作ることが望まれます。身体を使った遊びや子どもによっては絵を描くなどの静かな遊びを好む子どももいます。無理強いはせず、その子に合った遊びを見守れるといいと思います。ポストトラウマティックプレイは禁止しない方がいいとのことです。危険がなければ見守りましょう。絵本の読み聞かせなどもいいと思います。年齢の低い子向けの内容は、年齢の高い子でも楽しむことができると云われてます。
女性や高齢者の方には話を聞くことが大切です。話をしない方にも寄り添っていること、いつでも話をしていいというメッセージが必要です。
男性は話をしない方もいるかもしれませんが、男性も話をしていいというメッセージは必要だと思います。
・支援者のメンタルケア:無力感や様々な気持ちが出てくると思います。支援者同士で情報共有をして話をしてください。適切な休養も必要です。食事、睡眠を取りましょう。複数で活動しましょう。
・プライバシーの確保:女性、特に妊娠している女性、授乳中の女性、子どものいる女性は部屋を別にする間仕切りを立てる等の工夫をする。場所は女性の部屋か家族単位がいいかを選べるといい。部屋を分けたときは安全の確保のためにどうするかを決める。(例:ここから先は男性は入れません等の張り紙等) また洗濯物を干すスペースも、下着などが干せるように工夫する。
・トイレ:女性用トイレ、男性用トイレに分ける。出来れば場所を離す。安全な場所や通路を確保する。
女性用トイレには安全を期するために見回りが必要。トイレは我慢しないように声をかける。
・人数:1か所に避難する人の人数を限定する。そうすれば管理できる範囲に抑えられ安全性が維持できます。1か所に2000人以上収容しないようにする。日本ではもう少し少ない方がいいかと思います。
・性暴力への予防的対応:女性や子どもは一人では行動しない。トイレに行くときも、ボランティアを手伝うように言われた時にも、一人では行かない。暗い場所や建物の裏などには出来るだけ行かない。行かなければ
いけないときには複数で、信頼できる男性と行く等の工夫をする。親切な申し出でも、リーダーに確認する等安全を確かめてからにする。安全が確保できない場所、性暴力が起こりやすそうな場所があれば立ち入り禁止にする。避難所の屋外であってもライトアップする等明るく死角を作らない工夫をする。
・性暴力被害の通報:性暴力被害者は恥を感じたり、自己責任にさいなまれたりします。誰も信じてくれないと思い込んでいる方もいます。避難をしている人に性虐待や性暴力の通報の仕方を情報提供しておきましょう。被害にあった場合に支援を求めることによって被害者やその家族・パートナー等にもたらす利点について理解をしてもいましょう。プライバシーの保護や守秘義務が必要だということを避難している人全員に理解してもらいことは大切です。出来れば性暴力被害に対応できるスタッフを非難所に置くか、循環するようにします。被害が通報された時は訓練されたスタッフに連絡をするようにしましょう。
被害の通告があったら、被害者のために取った行動も含めて書類を作成しましょう。被害者には安全な場所とカウンセリングが必要です。もちろん必要に応じて、医療的な措置や緊急避妊薬が必要なこともあります。
出来れば警察の情報を共有できるようにする。
・特に必要なもの:生理用品、パンティーライナー、おむつ(おしりふき、ビニール袋)、ミルク(哺乳瓶、
いったん沸騰してから冷ましたお湯)、離乳食(瓶等お湯がなくても食べられるものの方がいいか、ヨーグルト等についているプラスティックスプーン)、鏡やブラシ、歯ブラシ、リップクリーム、ハンドクリーム、
タオル、ウェットティッシュ、下着、靴下、石鹸、洗剤、アルコール洗浄液、使い捨て手袋等
・情報:出来るだけ行き渡るよう工夫することはもちろんですが、高齢者、障がいをお持ちの方や外国籍の方等のニーズ合った情報提供を行えるようにする必要があります。
*翻訳サービス:被災外国人向けの英・中・韓等を通訳する無料電話サービスが24時間体制で始まりました。助けを求める外国人 が役場や避難先などで自治体職員らとやりとりする際に電話をすれば間に立ち通訳してくれる 電話番号050(5814)7230
 http://ceron.jp/url/www.47news.jp/CN/201103/CN2011031101001122.html
(ソース)
 Foreigners in JP can use the free translate service by
 telephone! Call 050(5814)7230 in operation around theclock.
・免费翻译拯救热线开通:针对
 日本地震外国人受灾者,提供24小时翻译服务。向地方政府的有关人员要求什么帮忙时,通过电话帮助你
 的沟通。050(5814)7230(英,韩,汉语)请传送各位。
 免費翻譯拯救熱線開通 針對日本地震外國人受害者,提供24小時 翻譯服務.你要求葚麼幫忙時,通過電話幫
 助你的溝通.050(5814)7230(英,韓,漢語)請傳送各位。
・NHK地震情報について
 日本国内の地震情報は、NHKラジオ(AM693)で放送されています。
 放送言語は、英語・中国語・韓国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語等です。
・The earthquake information of Japan is being broadcast in NHK radio on AM“693" now in English,
  Chinese, Korean, and each other languages!
・NHK广播电台(AM693)正在用各种语言提供关
 于日本大地震的信息。(汉语,英语,韩国语,西班牙语,法语,德语等)请传 送各位。
・NHK廣播(AM693)正在用各種語言提供關於日本大地震的信息.(漢語,英語,韓國語,西班牙語,法語,德語等)
 請傳送各位。
・コミュニティラジオの情報
广播电台77.8(地上波),和网络广播电台simul radio
正在用几种語言来广播关于地震的信息。提供有关信息的网站http://bit.ly/eaV16I%20 请传送各位。
・中国大使館の情報電話
针对3月11日日本发生的8.8级强震,中国驻日本大使馆网站公布处理地震最新24小时值班电话:
03-3403-3388转分机8881,8882,8712 请传送各位。
(ここまでを印刷して使用可)
◆情報源(皆様ありがとうございます!)
ピル処方・女性外来情報 財団法人日本家族計画協会のホームページの情報です。
★女性外来のある病院
http://www.jfpa.info/wh/hospital/index.html
★ピルを処方している施設の検索
http://www.jfpa-clinic.org/search/pill.html
★思春期・FP(家族計画)ホットライン(電話相談)TEL: 03-3235-2638  tel:0332352638
受付時間:月~金曜日10:00~16:00 (祝祭日・年末年始は休みです)
思春期世代が抱える自分のからだについての不安、月経のトラブル、性感染症のこと、避妊に失敗してしまったときの対処(72時間以内)、避妊に関する相談などを日本家族計画協会が養成した思春期保健相談士が、問題解決のための参考になる情報、知識を活かしながら相談に応じています。運営:社団法人日本家族計画協会(JFPA)
■女性の視点からの災害対策ー新しい情報を随時追加しています!!
http://wan.or.jp/emergency/?p=83
各避難所での生活がすでに始まっています。すべての避難所に今までの経験に基づいた女性の視点からの必要な対策についての情報を届けることが必要です。災害被災地におけるプライマリ・ケアや、阪神の震災の教訓をもとにさまざまな情報があります。ジョイセフ  震災で女性への医療サポート
http://www.joicfp.or.jp/jp/donation/tohoku_earth_quake/
このページに、「各都道府県の取組み」ページへのリンクがあります。支援内容と拠点助産院リストもあります。
http://www.joicfp.or.jp/jp/donation/tohoku_earth_quake/tohoku_shien/
東京都福祉保健局災害時の「こころのケア」の手引き 
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/video/leaf/files/saigai.pdf
<セクシュアルマイノリティなんでも相談ホットライン継続中>
0120-377867    毎週月曜18-21時まで
パープルダイヤル<性暴力・DV相談 24時間無料で受け付けています>
0120-941-826
  「わたしの防災力ノート」男女共同参画センター横浜南
  http://www.women.city.yokohama.jp/pdf/bousainote2.pdf
  「災害と女性」情報ネットワーク (ウィメンズネット・こうべ)  ←充実しています
  http://homepage2.nifty.com/bousai/index.html
  参画プラネット「女性と防災」事業 記録
  http://sankakudo.net/project&report/bousai/bousaiproject.html

給水、炊き出し場所一覧(自動更新) Emergency Water and Food Distribution
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&output=html&ndplr=1
Google配給MAP
携帯はこちら:http://u-pyon.com/m/
給水・炊き出し・日用品/Water.Meal.Daily
※容器など持参してくださいPlease bring containers with you.
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&hl=ja&gid=3
ゴミ
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&hl=ja&gid=18
携帯充電/Mobile Recharge
充電用ケーブル、コンセントなどは持参してください。 Please take a charger with you.
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&hl=ja&gid=3
 トイレ/Toilet
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&hl=ja&gid=2
モバイル向け携帯充電場所一覧
充電用ケーブル、コンセントなどは持参してください。 Please take a charger with you
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&hl=ja&gid=15
ガソリン供給/Fuel.Gas
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&hl=ja&gid=4
車両通行止め箇所
https://spreadsheets2.google.com/pub?hl=ja&key=0An_bfTU7s7XHdGxhazkyeExVTDV2TmZfM28tdHRUcVE&hl=ja&gid=16
反貧困ネットワーク「地震対策チーム」のブログを作ってもらいました。
http://ameblo.jp/antipovertynetwork
<災害時のPTSD等心的外傷者への支援手引き>
兵庫県こころのケアセンターが発行されている冊子「サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き」が、災害時にトラウマ経験をされた方への援助活動をするにあたって非常に役立ちます。
■女性の視点からの災害対策ー新しい情報を随時追加しています!!
http://wan.or.jp/emergency/?p=83
各避難所での生活がすでに始まっています。すべての避難所に今までの経験に基づいた女性の視点からの必要な対策についての情報を届けることが必要です。災害被災地におけるプライマリ・ケアや、阪神の震災の教訓をもとにさまざまな情報があります。東京都福祉保健局 災害時の「こころのケア」の手引き 
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/video/leaf/files/saigai.pdf

■大分県生活環境部 県民生活・男女共同参画課が「女性の視点からの防災対策のススメ」(19年2月発行)より「避難所生活での工夫」  (2ページ)
もしもあなたの地域で災害が起こり、 避難所生活を余儀なくされたら安全・安心・快適な空間を確保しましょう。避難所では、限られた空間で多くの人々が集団で生活をすることになります。被災者が、更なる二次災害を受けることがないよう、次のような工夫を図ることが必要です。
●一人暮らしの女性や高齢者・障がい者 、乳幼児のいる家族等の被災者の状況に応じ、 間仕切りをするなど の配慮を行い、快適な居住スペースの確保に努めましょう。
●仮設トイレの設置にあたっては、特に女性や子どもの安全・安心に配慮した場所や通路を確保しましょう。
●男女別の更衣(又は化粧)スペースを用意しましょう。
  ※女性用化粧室には、鏡や女性用品を準備しておくと便利です。
●女性用洗濯物の干し場を確保しましょう。
●乳幼児のいる家族に配慮した授乳スペース・育児スペースを確保しましょう。
●女性や子どもへの暴力を防止し、心身の健康を守るために、女性や子どものための相談窓口を設置しましょ
  う。
  ※過去の大震災では、女性や子どもに対する暴力(ドメスティック・バイオレンス、性犯罪等)が増加したという調査報告があります。
●イベントの開催や、誰もが利用できるフリースペースを確保し、心身のリフレッシュやストレス解消を図りましょう。このような空間を確保することで、被災者同士のプライバシーや、特に女性の安全・安心が守られることになります。  (3ページ)
安全・安心・快適な避難所生活を確保するため、 さまざまな工夫を図りましょう 
みんなで共同して作業をしましょう
阪神淡路大震災や新潟中越地震などの過去の災害発生時の経験では、男性は早い段階で職場へ復帰する一方、
不便な生活環境の下での家事や育児などの家庭的責任に対する負担が、女性に集中してしまいました。このような事態がおこらないよう、避難所内外での作業をみんなで共同することが重要です。具体的には、次のような作業が考えられます。
●食事の準備や片づけ
●物資の配布等
●共有スペースやトイレの掃除
●ゴミの処理
●行政との連絡
●防犯(見回り)
●イベントの企画及び開催
●家の後片づけなどの復旧作業などみんなで作業を共同することで、被災者がお互いの活動を評価し、尊重しあえるようになります。男女のニーズの違いに的確な対応をしましょう
刻々と変化しつつある状況に柔軟に対応していくために、常に被災者のニーズを把握するよう努めましょう。 避難所の運営のあり方を決める際にも、被災者の声を幅広く聞き入れることができるような工夫をしましょう。
●避難所運営には、男性と女性の責任者を配置しましょう。
●生活者の視点に立ったニーズが把握できるよう女性の意見を積極的に聞きましょう。 
●避難所生活や生活再建などの問題でストレスを抱えた人々のために、避難所内に各種相談窓口や意見箱を設置しましょう。
●被災者が求める情報が正確に、避難所のすべての人にわかりやすく伝わるよう、伝達方法を工夫しましょう。 特に、移動が困難な人や視覚・聴覚障がい者の人などに対する配慮をしましょう。
●女性が日頃から培ってきた地域の人的ネットワークやご近所づきあいなどの地域コミュニティを活用し、被災者の安否確認や避難所での声かけを行いましょう。
  共同作業のポイント
● 個人の能力・才能・特技を生かしましょう。
● 一つの活動(作業)において、性別が偏らず、 男女がともに活躍できるようにしましょう。
● みんなが公平に作業を行えるようローテーションを組みましょう。
● 日中、夜間、休日等いろいろな時間帯に対応できるようにしましょう。

AHC(アスクヒューマンケア)便りより
1.地域としての心理的回復プロセス
前回のメルマガでも「傷つくのは、直接被災した人だけではありません」とお伝えしましたが、事態が刻々と移り変わる中、「この地域」が広くは日本全体をさすと考えていいかもしれません。
災害を受けた地域は、次のようなプロセスをたどると言われます。期間はあくまで一般的なものです。
【英雄期……災害直後】
命を守るため、関係機関を含め、誰もが力を尽くす。
【ハネムーン期……6ヵ月まで】
衣食住が問題となり、生きのびた人が助けあい、外部からの援助も行なわれる。被災地は連帯感に包まれる。
【幻滅期……2ヵ月~1、2年】
衣食住だけはどうにか確保されたところで、心の問題が徐々に目に見える形になってくる。
人々は自分の受けたダメージに直面し、やり場のない不満と怒り、避難生活の疲れ、被害の程度の違いによる感情的な反目などが表面化。飲酒問題も出現する。この時期が終わるまでは、地域だけでなく外部からの物心両面の支援が欠かせない。
【再建期……数年間】
被災地に「日常」が戻り始め、被災者は自分の生活の再建だけでなく地域としての再建に参加。一方、復興から取り残されたり精神的支えを失った人に対しては、地域での長期の援助が必要。
災害の規模が大きく多数の死者が出てしまったような場合、住民のストレス反応はむしろ出遅れることが多く、その分だけ長引いたり、人によってはPTSDとなる可能性もあり、専門機関の受け皿を確保する必要があります。
2.メンタルヘルスの領域で援助を行なう方へ
アウトリーチのスタッフは「カウンセリングをしましょう」などと切り出すべきではありません。
「心理学」などの専門用語もタブーです。心のケアをすると気負うことなく、食事運びや片づけの手伝い、書類を書く手伝いなど、その場で役立つことをしながら、「大変でしたね」「何か私にできることは?」と自然に声をかけます。
感情が高ぶっている人はさりげなくケアし、手続きがわからない人には説明し、特別な援助が必要なら紹介・手配します。
そのため、メンタルヘルスの援助者は、他部門の動きや、公的手続き、交通手段の確保など、地元のあらゆる情報を知っておく必要があります。ひどいうつ状態や不安、精神障害の悪化、アルコール依存など、日常生活が困難な被災者は、
専門治療機関につなげます。現実には起こっていないことが起こっているかのようにふるまう、極度の興奮状態にある、表情がまったくない、ストレスによる身体症状が深刻、自殺の恐れが感じられるなど、反応が激しいときは、早期に専門機関につなげる必要があります。
3.アクティブ・リスニングを使ったアウトリーチ
当初、多くの人は感情がマヒした状態にあります。このときに「どんな気持ちですか?」と聞いても意味がなく、むしろ、マヒによる防衛の壁を無理に崩さないことが大事です。話を聞くには、「何が起きたのか」という事実から質問を始めます。「地震があったとき、どこにいましたか?」「まず何をしましたか?」「誰と一緒でしたか?」など。次に「何を考えたのか」を質問します。「揺れの瞬間、何を考えましたか?」「このところ、どんなことを考えていますか?」「ずっと頭から離れないことはなんですか?」など。多くの人は、考えを話すうち自然と感情を表現しますが、場合によってはやわらかく質問を向けます。
被災者が感じていることは、ストレスへの正常な反応であり、時とともに薄らいでいくことを伝えます。語りたくない人に対しては、その気持ちを尊重してください。「今、話したい気分ですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。
4.被災者の怒りへの対応
「幻滅期」の怒りが家族に向かったり、権利の放棄にならないよう、現実的な手助けが必要です。目の前に怒っている人がいたら、反論や議論は避け、具体的に何に一番腹が立っているのか、聞きだします。援助機関の窓口などで応対する場合、集団を相手に話すのはタブー。行動がエスカレートする危険があるからです。代表者に出てきてもらい、「こちらでゆっくり話を聞きましょう」と、場所を設定しましょう。まず、スタッフ自身が深呼吸して心を落ち着けます。怒っている人は、あなた個人を責めているのではありません。弁解せず、じっくり話を聞き、相手の感情が出つくした後で「お気持ちはよくわかりました」と言い、相手が落ち着いていたら具体的な話に入ります。
5.被災者の深い悲しみへの対応
「悲しまないですむようにしなければ」「泣くのをやめさせてあげなければ」と思う必要はありません。
周囲の人や援助者にできるのは、基本的には、そばにいてあげることだけです。
落ち着ける場所を探し、すぐに手が届くぐらいの距離をとって座りましょう。
泣いている人には、質問やアドバイスをすべきではありません。人は泣くだけ泣くと、たいてい気分が楽になったと感じます。話をしたいようなら、静かに話を聞きます。「それはつらいですね」「本当につらかったでしょうね」
というように、悲しみの感情を受けとめます。
肉親を失うなど、大きな喪失の悲しみが癒されるまでには、ショック~怒り~深い悲しみ~受け入れ、
といったプロセスをたどり、その人なりの時間が必要です。
6.子どもへの対応
子ども、高齢者、心身の障害を持った人は、自分で行動できる範囲が限られるため、不安が高くなります。
災害の正体がわからないことも、恐怖を強めます。
多くの場合、子どもは災害後に、夜泣き、おねしょ、甘える、だだをこねるなど、赤ちゃん返りのような反応を示します。これは一時的なもので、心配する必要はありません。
幼い子どもは自分中心の世界観をもっているため、「自分がいけない子だったから、こんなことになった」という考え方をしがちです。「あなたは悪くない」と納得させてあげてください。
子どもの行動を叱ったり責めたりすると、こうした考え方を強めてしまうことがあります。
家庭、あるいは周囲の大人が子どもに対してできるのは、以下のことです。
*なるべくそばについていてあげる。
*十分に温かくして、栄養をとらせる。
*恐がったときは「一緒にいるから。大丈夫」と安心させる。
*地震について教える。
*体験を話す場をつくる(強制はしない)。絵を描かせたり、絵を前にしながら話を聞く。
*年齢に応じ役割を分担し、責任を果たしたら心からほめる。
子どもは強靭な復元力をもっています。
周囲の支えが得られれば、大人よりも早く立ち直ります。
7.子どもに家族の死をどう伝えればいいか?
事実を伝えてください。亡くなったときの様子を事細かに教える必要はありません。
また、大人にしばしば言うように「苦しまなかった」などの慰めもいりません。
たとえば「地震で家が倒れて死んでしまった」のように、事実を説明します。
小さい子どもに対して「お母さんはお星さまになった」のような幻想的な説明は禁物です。
もう生きている人のようには動いたり話をしたりできないこと、お墓に入れることなどをわかりやすく説明します。
家族の死について子どもが自分を責める考え方をしないよう、「あなたのせいではない」ときちんと伝えることを忘れずに。
死を受け入れない場合、無理に事実を突きつけるのは避けるべきです。子どもの要求にできる範囲で応えつつ、誰かが一緒にいて状況を見守ってください。
8.高齢者への対応
これまでの生活が変化する苦痛は、高齢になるほど強くなります。日常が崩壊し、住み慣れた所から
離れなければならないこと、新しい事態に適応しなければならないことは、高齢者にとって非常につらいものです。
高齢や、心身の障害によって自力で対処できる範囲が限られる場合、恐怖や無力感も強くなります。
感情的にひきこもったり、「子ども返り」をするのは、こうしたストレスへの反応です。
気がねして助けを頼めなかったり、援助を受けるのが申し訳ない、あるいは恥だと感じる人もいます。
援助者や周囲の人がまずできるのは、以下のことです。
*理解できるよう状況を知らせ、今後のプランを話し合う。
*非論理的なこだわりは修正し、安心させる。
*混乱しているようなら、日付や時間や状況を繰り返し説明し、認識を助ける。さまざまに違った説明をせず、できるだけわかりやすい言葉で、繰り返し話す。
*頻繁に声をかける、名前を呼ぶ、「肩をもみましょうか」など自然に身体にふれる。
*心身の状態に注意する。
*話を聞き、気持ちをくみとり、できる範囲でニーズに応える。
「もう生きていたくない」など救援や支援を拒む場合には、「あなたが現にこうして生きていること」「生き残ったこと」には何か特別な意味があるはずだと、心から伝えてください。
以上、『災害と心のケア』デビッド・ロモ著 http://goo.gl/ONSUe
日本トラウマティック・ストレス学会:大震災支援情報サイト http://jstss.blogspot.com/
  Gender Disaster Network のソースブック 英語(海外の経験と国連防災計画の推奨事例) 
災害とジェンダーに関する現場マニュアル集、 グッドプラクティス集などあり。大量にあるので、
 要望があれば、目的に応じて適切な資料を選定して示します。
 http://www.gdnonline.org/sourcebook/
 (緊急救援の国際協力においては、災害時には女性・女児への暴力は必ず起こるものとして対処することが、今や常識となりつつあること など)
 ウィメンズネット・こうべの「災害と女性」情報ネットワーク   国内サイトとしては最も充実
 http://homepage2.nifty.com/bousai/index.html
 第46 回(2002年)国連婦人の地位委員会の合意決議(和訳)
 防災復興に男女が共に参画し、災害時の女性・女児のへの暴力防止・訴追の重要性にふれている。
 http://www.gender.go.jp/fujin_chii/chii46-goi-2.pdf
  
 現段階で重要なこと
 1)可能な限り、被災者と経済的被害の統計を男女別で把握しておくこと。
(今後の支援や復興に意味ある資源配分をするために不可欠だが、なぜか死者数は報道されても その性別は報道されない。阪神淡路では高齢者女性の死亡率は男性より非常に高かった。)
2)避難所での役割分担として、女性に子供や高齢者の世話が当たり前のように任されるようにしないこと。
 (労働負担が増えることで女性が政策決定にかかわる余力が減ってしまい、 避難所を離れられないため職場復帰も遅れ、ストレスが集中する。)
 (1)緊急時の女性対象物資(生理用品、ミルクなど)については現在は各自治体で準備されているはずですが、重要です。
 ただ、支援物資が届きすぎると逆に対応できないということもあります。支援物資が断れることもあります。そのため行政等の情報をみることも必要です。
(2)避難所の仕切りは家族と一緒にいたい人の希望もあり、女性用・男性用の部屋を設置することや避難所の一部に仕切りをつくることも手段の一つです。日本の場合は授乳用の部屋が必要との声があります。
 (3)政策決定過程に女性が必要。
 被災者生活再建支援法http://www.bousai.go.jp/hou/shiensya.html がどのように適用されるか。
 世帯単位で分配されることも多く義援金や物資含めて今後は被災者にとっても情報が全てです。
 復興には、避難所→仮設住宅→恒久住宅(自力再建または公営住宅)と数年かかることもあります。
避難所・仮設は村や行政区域で地域ごとに集まりますので。新潟中越地震では避難所でも自治会長・区長など男性が決定することが多く、女性の意見を反映する場 が少なかったとの声があります。
各避難所・仮設で一人は必ず女性を運営メンバーに含める必要があります。 
 (4)政策決定過程に高齢者が必要災害は高齢者により大きく影響すると言われます。高齢者の声も政策決定過程に反映されるよう配慮が必要です。高齢者の多くは女性です。
 (5)外国人支援
既にML上にまわっていますが外国人にたいする支援が必要です。まずは多言語の情報が必須です。
翻訳サービス 拡散希望 被災外国人向けの英・中・韓等を通訳する無料電話
サービスが24時間体制で始まりました。助けを求める外国人 が役場や避難先などで自治体職員らとやりとりする際に電話をすれば間に立ち通訳してくれる
  電話番号050(5814)7230
 http://ceron.jp/url/www.47news.jp/CN/201103/CN2011031101001122.html
(ソース)
 Foreigners in JP can use the free translate service by
 telephone! Call 050(5814)7230 in operation around theclock.

 免费翻译拯救热线开通:针对
 日本地震外国人受灾者,提供24小时翻译服务。
 向地方政府的有关人员要求什么帮忙时,通过电话帮助你
 的沟通。050(5814)7230(英,韩,汉语)请传送各位。

 免費翻譯拯救熱線開通 針對日本地震外國人受害者,提供24小時
 翻譯服務.你要求葚麼幫忙時,通過電話幫
 助你的溝通.050(5814)7230(英,韓,漢語)請傳送各位。

 NHK地震情報について
 日本国内の地震情報は、NHKラジオ(AM693)で放送されています。
  放送言語は、英語・中国語・韓国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語等です。
 The earthquake information of Japan is being broadcast in
 NHK radio on AM
 “693" now in English, Chinese, Korean, and each other languages!
  
 NHK广播电台(AM693)正在用各种语言提供关
 于日本大地震的信息。(汉语,英语,韩
 国语,西班牙语,法语,德语等)请传 送各位。

 NHK廣播(AM693)正在用各種語言提供關於日本大地震的信息.(漢
 語,英語,韓國語,西班牙語,法語,德語等)請傳送各位。
  コミュニティラジオの情報
 广播电台77.8(地上波),和网络广播电台simul radio
 正在用几种語言来广播关于地震的信息。提供有关
 信息的网站http://bit.ly/eaV16I%20 请传送各位。

中国大使館の情報電話
 针对3月11日日本发生的8.8级强震,
 中国驻日本大使馆网站公布处理地震最
 新24小时值班电话:03-3403-3388转分机8881,8882,8712 请传送各位。
誰に:被災者や、もう少ししたら現地に入る災害ボランティアの人たち
何を:主に女性や子どもの安全・安心に資する情報
例えば、「1人でいる子どもを見つけたらぜったいに放っておかないで声を掛けよう」とか「お手洗いなど、お互いに声を掛けいましょう。夜は特に」 「ボランティアさんちょっとお願いと言われても、絶対に一人ではお手伝いに行かないこと」といったノウハウ。阪神大震災のときは、この話が あったので、ボランティアの
人たちも含めて成人男性が中心となってパトロールをしていま した。
「どうやって」ということは問題。既にどこかにあるような気もしますし、
更なるノウハウ/情報を集めるのはこのMLでできても、今この タイミングでどうやって必要な人たちに届けていくか、「現代的」にtwitterなどで小さく細かく発信していった方がいいのかもしれません。

ボランティアの持ち物等について
日本看護協会編:先駆的保健活動交流推進事業 災害看護のあり方と実践, 1998より

持参する物品
持参することが望ましい物品については、発生後の時間経過に伴って、また季節的な時期によって、
あるいは活動を行う場所によっても微妙に異なってくる。活動場所に移動する前に、現地対策本部や
先発隊から情報が得られればそれにこしたことはないであろう。
しかし、十分な情報が得られなくても、自分の活動が継続できるだけの物品を準備しなければならない。
この場合、基本的な考え方は、活動に使うであろう物品については「持っていった物が無駄になってもよい」と割り切れる範囲で持参物を決めるということである。また保健・医療活動に必要な物品は現地でも早くから
充足されるであろう点を考慮すると、支援活動に必要な物品をあれこれ考えるよりは、むしろ自分自身が活動を続けるために「自己完結で滞在・移動ができる身支度」のほうをしっかりと持参することが望ましい。
持参物には、すべて所属や名前を書き、自分からも他者からも区別がつきやすくしておかなければならない。 持ち物に名前を書くことや前述の自己完結の旅支度は、最近日常の生活ではなくなりつつある習慣である。
しかし、現地におもむいてから後、本来の活動以外の場面で「あれがない、これが欲しい」と、結局周囲に
迷惑をかけることにつながるので、十分気をつけたいところである。
なお持参物の例一覧を下記に示す。
【支援活動に必要な物品】
自分をアイデンティファイするもの
災害時、現地は混乱している場合が多いので、自分が看護職であることなどをすぐに証明できる物があると
たいへん便利である。資格免許 (保健師・助産師・看護師など)のコピーをはじめ、所属機関の身分証明書、看護協会会員証 など、また健康保険証のコピーなどを必ず持参すること。また、大勢のボランティアや
被災者の中で活動しなければならない場合があるので、名札や腕章、ゼッケン(看護協会、所属機関の物など)なども役立つことがある。
支援活動に役立つ物
・時期を問わず役立つ物
バイタルサインをチェックするための道具は、現地でもすでに準備されている場合があり、無駄になる確率は
高いかもしれない。しかし自分持ちの物があると、いざというときの機動力となる。 ペンライトは携帯に便利で、診察だけでなく懐中電灯代わりにも活用できる。
避難所での巡回活動では、避難者が持参する内服薬について調べるための小さな内服薬辞典があると
便利だったという声もある。
・災害発生後時間経過によって役立つ物
初期は救命救急や急性期疾患の対応に携わることがあることを考慮すると、感染防止のためのゴム手袋や
衛生材料などディスポーザブルの物品が重宝である。また電気や水道などのライフラインの断絶を想定して、
使用が可能な物を準備する。調査ではウェットティッシュは、初期には自分自身の清潔確保として、
水の復旧後も温めて清拭用具として重宝したとの声が聞かれた。
中期以降になると医薬品や衛生材料は徐々に補充され、活動内容は直接的なケアや環境整備だけでなく、
避難所での健康相談やその事後処理作業などが加わるため、筆記用具、電卓などの準備が必要となる場合がある。
【自分の身を守るための備え】
自分自身を守る
活動時、自分自身の身を守る物として、予防衣(エプロン)、マスクが必要であり、携帯用のウェルパス・
手指消毒薬などがあると便利である。
常備薬
支援活動用の医薬品については、個々のボランティアが持参するというよりも 現地の支援物資で賄われることが多い。したがって持参するべき医薬品は、あくまでボランティア自身の健康を維持するための常備薬を考えるべきである。風邪・うがい薬・止痢剤・解毒剤・消炎鎮痛剤・目薬・胃腸薬・傷口消毒・カットバン・虫さされ・スキントラブル用塗り薬などが必要である。また栄養のアンバランスやストレスなども考えると 各種ビタミン剤も有効であろう。
季節により役立つ物
冬期は、自分を含め人々の健康を脅かすのは、寒さであり、使い捨てカイロや局所の防寒具が必需品となる。
一方、夏期は暑さと、害虫発生への対応が主となるだろう。避暑の帽子や長袖シャツも必要である。
夜間身体の火照りを癒す吸熱シートなども便利である。
活動時携帯用袋
活動中は貴重品や身分証明書、小銭やテレホンカードなど常に携帯しておきたい物がある。
リュックタイプの背中に背負える物や、ウエストポーチを持参すると重宝する。
【自分の生活に必要な用品】
履き物
災害の種類にもよるが、運動靴または履き慣れたローヒールの靴が望ましい。その靴で長時間の活動を行わねばならないし、活動場所では足場が悪い場合もあるので、 靴底は厚めの物のほうが疲労しない。
表面は防水または撥水性に富む物がよいだろう。
避難所での活動のためには、スリッパの持参も重宝する。
服装
服装は活動のしやすいものが望ましい。スラックスかトレーニングウェアがよいであろう。ポケットは案外重宝なので、ポケットのついている服を選ぶこと。季節や活動の場所によって服装はかなり異なるので、以下に示す。
冬:屋外で活動する場合は特に、上下とも一番上には防寒着(表面撥水加工のあるもの)やウインドブレーカーが必需品である。保温性の高いアンダーウェアを十分に重ね着する。背部、足先など局所の防寒も必要である。手袋は薄手があると、その上から軍手などがはめられる。
食は、被災後1週間もすればかなり支援物資が充足されていようが、糖分が容易に補給できる捕食は持参して
いるとよい。 被災地では新鮮な野菜を摂ることが難しい場合もあるので、ビタミン剤で栄養不足を補うことも必要である。
衣服の洗濯にあたって、洗濯ロープ・ 洗濯ばさみ・ 洗濯用洗剤が必要である。また、洗面道具・タオルも必要量持参する。
この他には、支援活動場所によって、寝袋があると便利な場合がある。また支援活動中には、途中休息を
とったり、活動終了後には仲間と気分転換を図りたい場合がある。調査では、自分なりに、また他の人と
気分転換できるような娯楽品があると気が紛れたという 声が聞かれた。
現金は、電気や銀行のオンラインの復旧状況にもよるが、キャッシュボックスでの換金は期待できない場合
(地域)がある。常に身につけていることを前提に、現金の形で持っていることが望ましい。
【情報源の確保】
例えば、同施設から継続して支援部隊が派遣されている場合、先発隊から活動予定場所の状況に関する情報が
人手できるであろうし、派遣依頼先に問い合わせて、少し前に現地におもむいたボランティアから現地の様子を聞くこともできるであろう。しかし、被災地の状況は日々刻々変化しており、最終的には
「行ってみないと解らない」と考えるべきである。
地図
殊に交通事情はめまぐるしく 変化しているため、移動には十分な時間的余裕が必要である。
被災前の道路交通事情は一変しているが、基本は被災前の交通事情であることも多く、一応現地の地図やガイドブックは持参すると重宝する場合がある。
ラジオ
現地のラジオ放送からの情報が最も新しく正確な情報源となるため、携帯用のラジオを持参するとよい。
電話
活動の前後に現地対策本部に連絡をとったり、所属機関と連絡をとると、被災地やその周辺の情報が入る
場合がある。そのためにもテレホンカードと小銭を持っていると便利である。テレホンカード用電話の場合、
停電中は小銭でしか使用できないので注意が必要である。
自分たちの活動が次の活動部隊のための情報源となるため、活動を終了して引き上げる際には、
ぜひ現地対策本部や所属機関、所属の看護協会などに最新情報を入れておいてほしい。

平成23 年東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまへ
3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震災害で被災された皆さまに、心よりお見
舞い申し上げます。
独立行政法人福祉医療機構では、今回の地震で被災されたお客さまの返済相談、
運転資金等の融資相談など、円滑、迅速かつきめ細かな対応を行ない、福祉の増進並びに医療の普及及び向上を目指す支援機関としての役割を努めて参ります。
被災された地域の皆さまの病院や福祉施設などの災害復旧にかかる融資や当面の
経営資金に必要な融資などを行います。
また、退職手当共済事業、社会福祉振興助成事業、年金担保貸付事業等についても、
今後の取扱いについて現在検討しているところです。
対応の詳細につきましては、独立行政法人福祉医療機構ホームページで順次、
速やかにお知らせして参ります。
【問合せ先】
福祉医療貸付事業の返済相談 (03)3438-9939
福祉貸付事業の融資相談 (03)3438-9282
医療貸付事業の融資相談 (03)3438-9934
退職手当共済事業に関する相談 (03)3438-0222
社会福祉振興助成事業に関する相談 (03)3438-4756
年金担保貸付事業等に関する相談 (03)3438-0224
暫定版障がいのある被災者について知っておいてもらいたいことhttp://dpiwomen.blogspot.com/2011/03/dpiwomengmail.html
DPI女性障害者ネットワーク発   <[暫定版]障害がある被災者について知っておいてもらいたいこと>
http://dpiwomen.blogspot.com/

基礎的なこと
・被災地では、全ての人がたいへんな状態におかれるなかで、介助や補助が必要な人や呼吸器をつけている人等は、優先順位が低くなりがちです。そのなかでも特に女性は、生きる優先順位を自分でも低めがちです。通常の社会
でも、人工呼吸器の装着が必要になった場合、女性のほうが男性より呼吸器をつけて生きることを選ぶ人の割合が
低いというデータがあります。そうした状況があるという課題を念頭において下さい。
・情報保障やコミュニケーションについて書いている基礎的なことは、障害者一般について必要なことですが、
なかでも障害のある女性は、ふだんから情報が届きにくくより声をあげにくい、ニーズを出しにくい立場におかれて
いることを、同時に念頭において下さい。
・障害がある人は、生きにくさを抱えながらも、自分なりに暮らしている、地域に住む隣人です。「かわいそう」な人や、自分では何も判断ができない人ではありません。その人の年齢にふさわしい態度で接して下さい。
・障害がある被災者のなかには、情報の不足等の理由で、危険を察知しにくく、危険に対して危険と理解・判断しにくい人たちがいます。こうした人たちは、危険に対して適切な行動が取りにくい状況に置かれます。
・外からみても分からない障害もあります。不思議と思われる行動をしている人がいたら、遠巻きにして心配するのではなく、正面から向き合って「困ったことはないですか」等、話しかけて下さい。そして、その人の希望と
ペースに合わせた手助けをして下さい。
・「障害についての具体的なこと」と、いちおう、障害別に書いていますが、同じ障害であっても一人ひとりは別々の個人です。その人の個性(ライフスタイルや性格、価値観等)や障害の状況、その時の体調等によって、必要な支援は一様ではありません。そのことを十分に念頭において下さい。
◆障害についての具体的なこと
① 肢体不自由のある人
*移動手段を車いすにしている人たちも多く移動に制約が生じることを理解すること
*電気が止まった場合、エレベーターが止まったり、電動車いすの充電に問題が生じたり、人工呼吸器に問題が
生じたりするため、それらを必要としていない人以上に生活に大きな制約を受ける。そのため、停電の影響が大きく、
不安感も大きい
*日常生活に介助をいれている人は、介助者の交通手段がたたれることで、介助者が確保できなくなる恐れもあり、不安が大きい
*移動を介助する時は段差やでこぼこ、傾斜に注意すること
*脳卒中等で半身マヒの人の歩行を手助けする場合は、マヒしている人の後ろに立ち、ベルトをつかんだり
腰に手を回して支えること
② 視覚障害のある人
*視覚からの情報が得られないため、読み書き、慣れない場所での歩行が困難。情報を得たり行動する上で非常に
困難なだけでなく、命の危険にさらされることが少なくない。避難のおりに取り残されることのないように、
必要な食料や給水などを受けられるよう配慮が必要。
*歩行を手伝う人の腕につかまり、段差の上り下り等を言葉で説明してもらいながら歩けば、安全に移動できる
*ものについては、言葉で説明しにくい場合は、目的物に手で触れると理解しやすい
③ 聴覚・言語障害のある人、
☆ 聴覚障害のある人
*まず、音情報を得られていない状態であることを理解すること。放送が流れるなどしても伝わらない。したがって、音情報はかならず文字や掲示でも伝えること。
*音情報については、個別に文字や掲示を見せて、きちんと伝わっているか確かめること。
*コミュニケーションの方法は手話、筆談等がある。口のかたちでは言葉が正確に伝わらないだけでなく強い疲労を招くことを十分に認識し、口のかたちに依存せずに、必ず、手話か筆談を。どちらかの人または双方が手話が
できない場合も、筆談でやりとりできる。
*筆談は、たくさんのことを長い文章で伝えようとせずに、短い文章で簡潔に、伝わりやすく書くこと。
☆ 難聴の高齢者
*一度に大量の情報を伝えようとせず、ゆっくりと一言ずつはっきり話す/筆談する。
☆ 言語障害のある人
*言語障害で相手が言っていることが聞き取れない場合は、中途半端な返事はせず、分からない時ははっきりその旨を伝える。相手が言っていることを聞き取れないことは悪いことではない。
④ 知的障害のある人
*言語・記憶・抽象的思考等が苦手だったり、社会の仕組みや流れに上手に適応しにくい人たちがいることを
理解する。
*自閉傾向の人は他者との関係を持つことが苦手で、こだわりが強く、特定のものに強い関心を示すことがある。
*話しかけて伝わりにくい場合は、ゆっくり話したり、身振り手振りや絵を書く、実物を見せる等すれば理解しやすい。
⑤ 精神障害のある人
*周囲から拒否的に対応されがちなため、本人や家族が病気を隠すことが少なくない。
*薬による副作用から、水分が多量に必要となったり、疲れから横になる必要があることが多い。
*眠れないことにより眠剤を飲むことが多いため、朝に弱い傾向がある。
◆避難所支援内容
(1) 必要な共通的支援
① 施設内は、できるだけバリアフリーにし、見やすい案内標識等を表示する。
*段差の解消、移動しやすい環境の整備(通路の幅の確保、障害物を置かない等)が必要。
*車いすが通れる通路(直線で)の幅は90cm以上必要。
*案内所・物資配布所・トイレ等の表示は、大きい表示板・色別テープで示す。
*集団生活に適応しにくい人々は二次的避難所を設ける。
②できるだけその人の事情が分かっている人と共に過ごすことが望ましい。
③盲導犬、聴導犬、介助犬は、使用者の移動や生活にとって、なくてならない存在であり、人とともに避難し、避難所内で一緒にすごし、必要な食事や給水を受けられるようにすること。
④混乱の中で支援が効果的に実行できるように、障害当事者及び支援者(介助/介護者)は分かりやすい名札等で識別・表示をすることも考えられる。ただし、表示を希望しない人へは強要しない。
⑤情報伝達機器のうち、テレビは「字幕付き」、電話は「ファックス付き」を設置する。
⑥トイレには「手すり」等を取り付ける。
⑦大人用紙オムツ、尿取りパットは、各サイズ別に多く備える。
⑧非常食として「おかゆ(パック用)」を用意する。またトロミ剤、ストローを用意する。
⑨簡易な医療器具の設置(酸素吸入器及びボンベを設置する)
⑩避難生活のなかでのトイレや着替え等女性のプライバシーの確保、安全対策が必要。
⑪避難生活のなかで性暴力がおこるおそれがあり、とくに障害をもつ女性は暴力から逃れるのが困難なことがある。性暴力の防止対策、被害があった場合の相談・支援体制をこうじて下さい。
(2)個別に必要な支援者、支援器具等
①視覚障害者…介護者(ヘルパー等)、白杖
②聴覚障害者…手話通訳者、筆記者、手旗(黄色)、補聴器、筆記具
③精神障害者…介護者(ヘルパー等)、二次的避難所、飲料水
④知的障害者…介護者(ヘルパー等)、二次的避難所
⑤ 肢体不自由者…介護者(ヘルパー等)、車いす、歩行器、つえ、車いす
用トイレ、ポータブルトイレ、カーテン、ベッド(※ カーテン、ベッドは特にトイレ介助に必要)
⑥ 高齢者(認知症・寝たきり)…介護者(ヘルパー等)、歩行器、呼び出しベル、杖、ポータブル式トイレ、カーテンベッド(※ カーテン、ベッドはとくにトイレ介助に必要)
⑦心臓病・喘息患者等…加湿器、マスク、AED(自動体外式除細動器)、のど湿布薬
⑧透析・人工肛門患者等…二次的避難所、
⑨妊婦…看護士又は助産婦、消毒済み布(ガーゼ他)
⑩乳幼児…保育士、空気清浄機、加湿器、哺乳瓶、粉ミルク、離乳食(ベビーフード)、乳幼児用オムツ、乳幼児用歩行器
⑪必要な介助者がいない場合、派遣要請ができるシステムを早急に設ける。
★最後に、私たちの仲間からの提言です。「日本の原子力政策を直ちに見直し、クリーンエネルギーに転換すること。いまからでも、すべての原子力発電所を停止させる措置をとること。障害者問題のすべても、人が生きること
から始まる」 自然災害ではない原子力発電が、さらに多くの人を傷つけることがないよう、強い願いを込めて。
■「東北関東大震災障害者救援本部」を障害当事者の手でたちあげる準備を
しています。
今後ブログ上で上記をふくむ関連情報を追加する予定ですが、まずは今まとめられることをお伝えし、要望とします。

DPI女性障害者ネットワーク
メールdpiwomen@gmail.com
ブログhttp://dpiwomen.blogspot.com/
サイトhttp://dpiwomennet.choumusubi.com/
『身近な人が性暴力にあったら私たちにできること・DV等女性への暴力防止セミナー
 2009報告書』主催:エセナ5 には、第2回「災害時の女性への暴力を考える」で
 NPO法人ウィメンズネット・こうべ代表正井礼子さんの報告が紹介されています。
<阪神・淡路大震災の避難所で起こった事例>
 【子どもたち】
 ・避難所の体育館で人々が出勤してしまった人気もまばらな日中、幼い子どもを対象に 性器を露出、
  また触らせるなどの行為(露出症)が頻発。
 ・避難所の体育館ではトイレに立った男性が、眠っている女の子の胸や性器を触り歩くのを防ぐため、
  天井の照明は夜通し煌々と点灯していた。
・校庭の隅で遊ぶ幼児が外部から侵入してきた見知らぬ男に性器を口に押し込められるという事件があった。
 【女性たち】
 ・避難所の体育館で乳児に添い寝をしていたところ、突然レイプされ、止めに入った 巡回中の教員が暴力を
  振るわれて怪我をした。
 ・半壊の家に片づけに行くと、中に潜んでいた男からレイプされた。
【ボランティアの女子生徒や学生たち】
 ・半壊の建物のガレキの中でリュックをつかまれ、引きづり込まれてレイプされた。 
 ・ワゴン車を用意し、お風呂に入りたいボランティアの女子学生たちが誘われ、解体現場に連れ込み複数で
  輪姦された。
 【避難所での診療を行った医師の話】
 ・ストレスで月経不順・無月経になる人、トイレが不自由で便秘になる人が大勢いた。
 ・下着の着替えがままならないため、おりものシートやナプキンをずっと当てていて、炎症を起こし、
    出血する人もいた。
・震災の年はレイプがらみの相談が特に多かった。
 NPO法人ウィメンズネット・こうべ代表の正井さんは、阪神・淡路大震災直後より 
“女性支援ネットワーク”を立ち上げたそうですが、マスメディアによるバッシングにあわれたそうです。
  今後、私たちが被災地での性暴力被害をくい止め、性暴力被害者を救済するための活動を展開するにあたり、心に刻んでおくべきことだと思いますので、以下にご紹介いたします。
 正井さんは1996年マスメディアで流されていたような美談・家族愛ではなく、女たちの生の声・真実の声を
届けようと「女たちが語る阪神・淡路大震災」という本を作りました。
 1995年7月に開かれた近畿弁護士会の“被災地における人権”で配られた厚い資料の中には、「阪神・淡路大震災で女性が性被害にあったという噂があったが、兵庫県警は 『1件もない。デマである。』と否定した」との記載しかありませんでしたが、実際には多くの性被害が起こりました。
 1996年3月には「神戸・沖縄・女たちの思いをつないで~私たちは性暴力を許さない~」を神戸で開催。
被災地や沖縄少女殺害事件等における女性への性暴力に抗議しました。
しかしマスコミから「ありもしないことを言っている」と激しいバッシングにあい、 その後10年間沈黙。
2004年スマトラ沖地震での性被害をスリランカの女性たちが明らかにし、翌年国連にまで訴えたことに
衝撃を受け、20005年シンポジウム“「災害と女性」~防災と復興に女 性の参画を~”開催。
その後、現在に至るまで精力的に活動されているそうです。
 【注目!】
ウィメンズネット・こうべのHPは、被災地の事例と対策がよくまとまっています。  
ぜひご覧ください。 http://homepage2.nifty.com/bousai/index.html
 【外国での取り組み】
 ■1989年サンフランシスコ地震について“女性に対する暴力を防ぐための委員会”が 
 中心となって作成された報告書が、全米・カナダの危機管理機関に配布されました。  
 ・日頃はレイプはほとんどが顔見知りの犯行であるが、大きな災害の後はゆきずりの
犯行がいつもの300%に増える。
・地震は暴行が引き起こすのと同じ絶望的無力感を引き起こし、過去の性的暴行や
 性虐待の トラウマに苦しむ女性からの電話件数が25%増えた。
 ・児童虐待が増えた。
 ・DVの保護命令を申請する人が50%増えた。
 ・災害後は、女性への暴力が増加することを予測して、復興・防災対策の中に暴力防止を組み込んで
おかなければならない。

> ■『被災地における性暴力~防止と対応のためのマニュアル~(ルイジアナ州反性暴力財団&
全米性暴力情報センター)』が2009年に作成されました。
 シェルターやその他の避難場所での性暴力予防法が提案されています。
 ・シェルター1軒に避難する人数を限定しましょう。そうすれば管理できる範囲に抑えられ
  安全性が維持できます。1カ所に2000人以上収容しないようにしましょう。
 ・避難場所は、適切な明かりで照らせるように十分な電気、または発電機での充電力を確保して
  おきましょう。
 ・着替えや各自の衛生管理のためにプライバシーを守れる場所を提供しましょう。
 ・避難場所に安全が確保できないような場所や性暴力被害が起こりやすそうな場所が あれば、
   立ち入り禁止にしましょう。
 ・希望者がいれば、眠ったり生活したりする場所を女性用と男性用に分けましょう。 
 【かつての防災フォーラムアピール文より】
 ・復興事業として、街の倒れた街頭は速やかに復旧工事を行い、夜間の街を明るくして、
 人を犯罪から守り、女性たちを性被害から守るためにも特別警戒をする。
 ・災害時に女性が仕事を失わないための施策や支援を行うこと。
 ・災害特別休暇(保育や介護のためなど)が男女ともに取得できるようにすること。 
 ・災害を理由に不当に解雇された女性に対する労働相談を速やかに開設すること。

 仮設住宅は辺ぴなところに作られることが多く、近所の男性にレイプされた女性が
 その後、「なぜその時に訴えなかったのか」と周囲から指摘されたそうです。
 女性は「そこでしか生きていけない時に誰にそのことを語れというのですか」と
 反論したそうですが、社会の無理解による二次被害も予防しなければなりません。
 性暴力の予防とともに不幸にして被害にあわれた方が安心して語れる相談窓口の確保も喫緊の課題です。
  3月27日までとされている『パープルダイヤル』の継続を内閣府 に要請することも必要だと思われます。

 http://t.co/hsuDLrr 
テレビなどでは分からないかなりリアルな状況が見られます。

2)認知症の人と家族のための支援 三輪様より

皆様

 認知症の人と家族のための支援についてです。
2ファイル添付します。

発行元は、
認知症介護研究・研修東京センターケアマネジメント推進室
東京都杉並区高井戸西1-12-1

ぜひ、活用してください。  三輪和惠

以下は、上記メールに添付の資料 その1

震災で苦しむ認知症の人が「一人でも「少しでも」安心して避難所で過ごせるために
~つながりの力で、支援ガイドを関係者に伝えてください~

*大地震、津波、被爆の恐れ・・・想像を絶する体験の中で住まいを失い、避難所での生活を余儀なくされている人が数十万人。その中に認知症の人が多数含まれています。

*すべての人の「生(命、生活、人生)」が危機的な状況の避難所では、認知症の人への支援は
 後手後手になりがちで遅れるとどんどん対応が困難になったり、元気そうだった方が短期
間に命を落とす場合もあります(避難所から認知症の人が行方不明になった実例が、す
でに出ています)。

*できるだけ早い段階で、本人と家族らの状態が悪くなっているのを少しでも食い止めないと、
当事者はもちろん、周囲への負荷が増すばかりです。

*避難所生活の長期化が危ぶまれる中、避難所で認知症の人と家族らが少しでも安心して
過ごせるための支援を行う参考にしていただくための、「避難所で頑張っている認知症の人と家族等の支援ガイド」を作成しました(これまでの震災時の避難所での支援体験や関係者の情報等をもとに作成したものです)。

*みなさまの”つながり”を活かして、これから被災地・避難所の支援に入る予定の人、すでに支援に入っている人等に支援ガイドを紹介していただき役立てていただければ幸いです。

*認知症の人の支援に焦点を当てて作成されたものですが、ストレスに特に弱い人たち・子供たちの支援にも、どうぞ参考に。

*なおこのガイドは、現地で実際に支援している人たちの声をもとに、順次バージョンアップしていく予定です。ご意見やアイディア、情報を下記までお寄せいただければありがたいです。

*多数の被災者の中の「一人」でも、「少しでも」、避難所で安心して過ごせますように。
 そして一日も早く、普通の暮らしに戻れることを切に祈りながら。

                                2011317
                     
認知症介護研究・研修東京センターケアマネジメント推進室
東京都杉並区高井戸西1-12-1
                        http://itsu-doko.net


以下は、上記メールに添付の資料 その2


避難所でがんばっている認知症の人・家族等への支援ガイド
* 避難所には、認知症の人や認知症様の症状が出始める人がいます。
* 人一倍ストレスに弱い特徴をもつ認知症の人は、避難所で混乱しやすく、
心身状態が増悪したり、家族や周囲の負担も増大しがちです。
* ちょっとした配慮で本人が安定し、周囲の負担軽減ができることがあります。
* 避難所で認知症の本人、家族、周囲の人が少しでも楽に過ごせるように。
以下の点を参考に、できる工夫を、どうぞ試みてください。
認知症介護研究・研修東京センターケアマネジメント推進室 ホームページいつどこネット掲載
1.ざわめき・雑音のストレスから守る工夫を
■人の動きや出入りが多い所、雑音が多い所にいると本人は落ち着かなくなります
⇒ ざわつきや雑音が比較的少ない場所(奥まったところや出入り口から離れた所など)を
本人と家族らの居場所として確保しましょう。 注)本人となじみの人を離さないように。
⇒ 場所の確保が難しい場合、本人からみて視界に入るものが不安を駆り立てないように
本人の座る向きを工夫しましょう(出入り口と反対に向ける、人の少ない方に向ける等)。
2.一呼吸でいい、ペースを落として、ゆったりと、少しずつ
■周囲のペースで関わると、せっかくの関わりが本人を脅かしてしまいがちです。
⇒ あわただしい雰囲気や口調は、本人を混乱させます。急ぎたい時、緊張している時ほど
一呼吸いれ、力をぬいて、ゆったりとした言葉かけで接しましょう。
⇒ 一度にたくさんのことを言わずに、短い文章で、ひとつひとつ伝えましょう。
⇒ 食事、排泄、着替えなど、簡単なようで細かい動作の組み合わせです。動作が、
一歩一歩進むよう、本人の動きにそって、一つずつ声かけをしましょう。
3.本人なりに見当がつくよう、本人に情報を
■今、何が起こり、どうしたらいいか、本人なりに不安に思っており、本人への説明がないと
混乱が強まります。
⇒ 記憶や判断力の低下や会話が困難な人であっても、本人に向き合って、今の状況を
わかりやすく説明し、限られた情報を本人と分かち合いましょう。
例)ここは○○体育館だよ。今日は○月○日、今○時頃だよ。食べ物が○時頃、配られるよ。
⇒ 紙や筆記用具がある場合は、本人が知りたいこと、本人にわかってもらいたいことをメモにして
渡しておきましょう。本人が見えるところにはっておくのも一策です。
⇒ 本人が誰で、住所、連絡先、身内が誰かがわかるようなメモを本人に渡し、身につけておけるよ
うにポケット等にいれておいてもらいましょう。
4.飲食、排泄、睡眠の確保を
■声かけや見守りがないと一人で適切にできなくなり、認知症の症状や体調が増悪しがちです。
⇒ どのくらい口にできているか、本人の飲食料の一日の総量を確認し、限られた飲食物を確実に
本人が口にできるよう声かけをしましょう。ペットボトル等を置くだけでは飲めない人もいます。な
お、本人が飲食する際は、手指を拭いて、感染予防に配慮しましょう。
⇒ 避難所のトイレにいくまで手間取ったり、行きついても馴れないトイレでスムーズに用を足せない
場合、お手製トイレ*を作り、身近な場所で人目につかずに済ませられるようにする方法もあり
ます。 *新聞紙、ビニール袋、空いたペットボトル・容器等、ある物を利用して。
⇒ 睡眠リズムが乱れやすいので、眠る・起きるタイミングをつかめるように声かけをしましょう。指
示口調ではなく、「一日、ぶじでよかった。ぐっすり寝て明日に備えよう」、「そばにいるよ」など、
安心して寝起きできるような声かけをしましょう。
5.少しでも「快の刺激」を。
■不快がつのると、落ち付きのなさや苛立ちが高まり、抑えきれなくなりがちです。
⇒ 時折、一緒に窓の外をみる、玄関先等に一緒に出て、空を眺めたり、戸外の空気を
深呼吸するなどでリフレッシュしましょう。
⇒ 手足・首筋・腰等を温める(温めるものがない場合は、掌をこすって暖め、そっと手をあてる)、さ
するなどで、本人が落ち着くことがあります。
⇒ 触ったり、抱いて気持ちのいいものを本人に渡すのも一策です。例)やわらかいタオル、なでて
気持ちのいいもの、膝や太腿の上に暖かいもの、抱き心地のいい毛布、等
⇒ 本人の好きな歌、なじみの歌、わかりそうな歌を口ずさんだり、一緒に歌ってみましょう。
⇒ そばにいる時は、本人の目をみて、そっと微笑んで・・・一瞬でも、とても大切です。
6.体を動かそう
■じっとしたままだと、筋力の低下や血流の滞り、風邪などにかかりやすくなります。
⇒ 同じ姿勢を続けずに、時々姿勢を変えたり、体を動かすように声かけしましょう。
⇒ 足首を回すよう声かけしましょう。一人でできない場合、やって見せたり、手助けを。
⇒ 時々、一緒に伸び伸び、体を伸ばしましょう。
7.落ち着かない場合、抑えるのではなく、早目に本人にそった対応を。
■声をだす、立ち上がる、動き回ろうとする場合、抑えようとすると逆効果です。
⇒ 本人がどうしたいのか、そっと尋ねてみましょう(本人なりの要望や理由があります)。
本人の要望に応えられない場合も、否定しないで、まずは、要望を親身に聴き取りましょう。
⇒ 何もすることがないと落ち着かなくなりがちです。本人のできそうなことを活かして、
本人が力を発揮しながらエネルギーを発散できる場面をつくり、感謝を伝えましょう。
例)一緒にたたむ、片付けをお願いする、運ぶ・拭く・配る手伝いをしてもらう、見回りや監督役を
一緒にお願いする、子供たちや赤ちゃんのそばで見守り役をお願いする等。
⇒ 落ち着かなさ、興奮等が高まった場合は、関わる人を限定する(いろいろな人が関わると混乱強
める)。関わる方が落ち着いていると、本人も落ち着くことができます。
例)笑顔とアイコンタクトを。静かな場所で過ごせるように身振りで誘導する、
本人が安全に歩き回れるようにそばについて歩く。本人が嫌がらないか反応をみながら
そっとタッチし、ペースダウンをはかる、など。
8.本人を見守る家族や介護職員が解放される時間の確保を、現状や要望の確認を
■家族や職員は、本人から目を離せず、周囲に気を使い想像以上に消耗しがちです。
⇒ 本人の言動に対し周囲の人から苦情がでないよう、周囲の人たちをねぎらい、本人と家族、職
員らへの理解と協力をお願いしましょう。
⇒ 家族や職員が、トイレにいったり、飲食、休憩、仮眠などの際、安心して本人のそばを離れられ
る(解放される)よう、周囲の支えが必要です。
注)やむを得ず目を離したすきに、本人が避難所から行方不明になったケースがあります。
⇒ 短時間でもいいから本人の見守りを交代しましょう。その場合、本人がしっかりしているようでも、
本人から目をそらさずに、そっと見守りましょう。家族と交代する時に、本人が好む呼び名、好き
な話題を教えてもらうと、会話をしやすくなります。
⇒ できたら避難所の中にいる認知症の本人となじみの人(家族、職員、近所の人等)が集まって一
緒に過ごせる一角を確保し、一緒に見守ったり、交代で休む体制をつくりましょう。
⇒ 定期的に巡回し、本人の状態の確認をするとともに、家族、職員、そして本人の要望を具体的に
聴き取りましょう。
互いの心身をいたわって、一日も早く普通の生活に戻れますように


3)宮城学院女子大学 畑山みさ子様より


今般、宮城学院女子大学発達臨床学科教員達が、
主に保育者向けに「災害にあった子どもと親の心を支援するための心得」を作成しました。
原作者の了解の下に、子どもと親に関わる部分のみの縮小版にしたものです。
保育者以外にも子どもに関わる方々にもお役に立つことがあればと思い、メール配信いたします。
関係者に配信しても構いませんので、どうぞご利用下さい。



以下は、メールに添付の資料

災害にあった子どもと親の心を支援するための心得
(保育者のための「サイコロジカル・ファーストエイド」縮刷版)
出典
「サイコロジカル・ファーストエイド」実施の手引き第2版
作成
アメリカ国立子どもトラウマティックストレス・ネットワーク
アメリカ国立PTSD センター
日本語版作成
兵庫県こころのケアセンター
資料提供
国際基督教大学
小谷英文教授
保育者向け縮刷版作成
宮城学院女子大学発達臨床学科
発行 2011 年3 月26 日


目次
1. 子どもに対する基本的対応
2. 保護者に対する基本的対応
3. 保護者と離ればなれになった子どもへの対応
4. 家族を亡くした子どもを理解する
5. 家族を亡くした子どもへの対応
6. 家族を亡くした保護者を理解する
7. 家族を亡くした保護者に避けた方がよい言葉がけ
8. 保護者の現実的な問題の解決を助ける
9. 子どもと保護者のトラウマ(心的外傷)後のストレス反応について理解する
10. ストレス反応に対する適切な対処法
11. 簡単なリラクセーション法(呼吸法:子どもに指導する場合)
12. 怒り(ストレス反応)に対する適切な対処法
13. 子どもや保護者を他の機関に紹介する


1.子どもに対する基本的対応
① 子どもは、悲しみをどう表現してよいか分からず、自分の気持ちを話したがらないことが
あることを知っておきましょう。
② 子どもは、友達と一緒にいたり、体を動かしたり、絵を描いたり、音楽を聴いたりする方
が、気分転換になる場合があることを知っておきましょう。
③ 子どもが、慣れ親しんだやり方で過ごせるように配慮しましょう(たとえば、子どもが、
いつも家庭で遊んでいるぬいぐるみなどを持参することを許す)。
④ 子どものふるまいや言葉が、発達的に退行(赤ちゃん返り)することがあることを知って
おきましょう。
⑤ 子どもの話を聞くとき、あなたが話を理解していることを、子どもが分かるように伝えま
しょう。
⑥ 子どもが自分の気持ちやしてほしいことを話したとき、「よく話してくれたね」とほめて
あげましょう。ただし、細かく聞き出すようなことは避けましょう。
2.保護者に対する基本的対応
① 保育所、幼稚園の枠組みの中で対応して下さい(個人的な対応をしないで下さい)。
② いきなり介入するのではなく、まずは様子を見守って下さい。
③ 次に、どのような手助けを求めているかを見極めるために、簡潔で、思いやりのある質問
をして下さい。
④ その際、穏やかで、落ち着いた、親切な態度で対応して下さい。
⑤ 保護者が話し始めたら、じっくり話を聞いて下さい。
⑥ 守秘義務を守って下さい。ただし、虐待が疑われるような場合は、通告義務が優先します。
⑦ 他の専門的対応が必要な場合は、適切な紹介を行って下さい。
⑧ 自分自身の心の健康に注意を払い、必要に応じてスーパーバイズを求めるようにして下さ
い。
3.保護者と離ればなれになった子どもへの対応
① 子どもにとって、安全で安心できる場所を確保して下さい。
② レゴブロック、積み木、粘土、塗り絵など、静かに行える遊びも保証して下さい。
③ できれば、その子どものそばにスタッフを配置して下さい。
④ 「すぐにお母さんと会えるよ」など、果たせないかも知れない約束はしないで下さい。
⑤ 被災に関するマスコミ報道に、触れすぎないように配慮して下さい。
⑥ 「子どもに対する基本的対応」の項目も参考にして下さい。


4.家族を亡くした子どもを理解する
① 子どもは、生活の中で短い時間しか悲しみをあらわさない場合があることを知っておきま
しょう。たとえ遊んでいたり、楽しそうにふるまっていたりしても、他の家族と変わらぬ
ほど強い悲しみを感じていることがあります。
② 子どもは、死が永久的なものであることを理解できず、望めば死んだ人を生き返らせるこ
とができると信じていることがあります。人の死に関する現実(死んだ人は息をしない、
動かない、痛みや苦しみを感じることはない等)を理解できるように、手助けが必要な場
合があります。
5.家族を亡くした子どもへの対応
① いつもと違う食べ物、お気に入りの毛布が見当たらない、いつもの人がそばにいないなど、
ちょっとした変化に動揺します。できるだけ早く安定した生活を送ることができるように
することが必要です。
② 子どもに対して、「あなたを愛していること、これからも大切にすること」を伝えて、安
心させて下さい。
③ 子どもが、自分の気持ちを話せるようになるのを、注意深く待って下さい。
④ 話すことを無理強いしないで下さい。
⑤ 子どもの質問に対しては、短く、分かりやすく、率直に、子どもの年齢に応じた表現で答
えて下さい。
⑥ 家族の死は、子どもが引き起こしたことではないこと、誰かがした「悪い」ことに対する
罰でもないことを伝えて、安心させて下さい(罪悪感、自責の念の払拭)。
⑦ 葬儀、埋葬、お祈り、その他の儀式についての質問に、率直に答えて下さい。
⑧ 子どもが繰り返し尋ねる質問に応じられるよう、準備をしておいて下さい。
⑨ 子どもの質問に、「わからない」と答えることを、恐れないで下さい(大人でも答えるこ
とができないことがあります)。
⑩ 子どもが一人で悲しむための時間をつくる、静かに寄り添う、抱きしめる、などの対応も
あります。
⑪ 葬儀への参加が、子どもの役に立つ場合があります(死の現実性の受け入れ)。しかし、
無理強いしてはいけません。参加しない場合の他の選択肢についても伝えて下さい(たと
えば、近所の知り合いの家族と一緒に過ごすなど)。


6.家族を亡くした保護者を理解する
① 急性悲嘆反応について理解して下さい。急性悲嘆反応とは、死に対する悲しみや怒り、死
を防ぐことができなかったことへの罪悪感、安らぎを与えられなかったことへの後悔、亡
くなった人への思慕などです。
② 思いがけず遺族になってしまった保護者の尊厳を守り、尊厳と思いやりをもって接して下
さい。
③ 悲嘆の反応には個人差があることを理解して下さい。
④ 悲しみ方は人によって異なります。たとえば、いつまでも怒りを表現する保護者がいると
しても、その保護者が間違っているわけではありません。
7.家族を亡くした保護者に避けた方がよい言葉かけ(悪い例です)
① お気持ちは分かります。
② ○○さんは楽になったんですよ。
③ これが、○○さんの寿命だったのでしょう。
④ 少なくとも、○○さんは、苦しむ時間はなかったでしょう。
⑤ がんばって、これを乗り越えないといけませんよ。
⑥ あなたは、これに対処する力があります。
⑦ そのうち楽になりますよ。
⑧ できるだけのことはやったのです。
⑨ 他には、誰も死ななくて良かった。
⑩ あなたには、まだ□□さんもいますよ。
(ただし、これらの言葉を保護者が発したときは、その言葉を受け入れて下さい。)
8.保護者の現実的な問題の解決を助ける
① 保護者が、いま最も必要としていることを確認します。保護者は、困っていることをたく
さん挙げる場合は、いますぐに援助が必要な事柄を選ぶ手伝いをしましょう。保護者が話
すことをメモ書きして、整理すると効果的です。
② 保護者が困っている事柄を現実的に可決するために、何が出来るか話し合って下さい。
③ 保護者が行動を始める手助けをして下さい。たとえば、必要なサービスを受けるための予
約、事務手続きなどを手伝って下さい。


9.子どもと保護者のトラウマ(心的外傷)後のストレス反応について理解する
① 侵入反応:トラウマ体験の記憶が心に割り込んでくる反応です。出来事に関する苦痛に満
ちた考えや光景が勝手に頭に浮かんだり、夢に出てきたりします。子どもの場合、災害と
は関係のない悪夢を見ることもあります。
② フラッシュバック:最もひどい体験が、実際に再び起こっているように感じる反応です。
③ 回避と引きこもり反応:トラウマとなった出来事について話す、考える、感じることを避
けたり、出来事に関する場所や人など、思い出すきっかけとなるものすべてを避けようと
したりします。社会的引きこもりに発展する可能性があります。
④ 身体的な覚醒反応:危険がまだ存在するかのように反応する身体的変化です。絶えず危険
を「警戒」している、すぐ驚く、びくびくする、焦りや怒りを爆発させる、入眠や睡眠の
困難、集中や注意の困難などが起こります。
⑤ 悲嘆反応:悲しみ、怒り、家族が亡くなったことに対する罪悪感や後悔、亡くなった家族
への思慕といった感情を引き起こします。
⑥ 外傷性悲嘆反応:大切な人を突然、悲惨な死に方で亡くしたときに、大人にも子どもにも
起こる反応です。その死はどうしたら防げたのか、死の瞬間はどのようだったか等、死に
まつわる事柄に固執し続ける場合があります。この反応のために、自然な悲嘆の過程が妨
げられると、被災者はいつまでも死を受け入れる気持ちにはなりません。
⑦ 抑うつ:持続的な抑うつやイライラ感、食欲減退、睡眠障害、興味や喜びの喪失、疲労、
エネルギー減退、自尊心の低下、罪悪感、絶望、自殺などを考えるなどの反応です。
⑧ 身体反応:特にけがや病気をしていない人にも広く起こります。頭痛、めまい、胃の痛み、
筋肉痛、動悸、胸の締め付け感、過呼吸、お腹の不調などの反応です。
10.ストレス反応に対する適切な対処法
<子どもの場合>
① 誰かに話して支えてもらう。
② 誰かと一緒に過ごす。
③ 子どもの興味関心に応じた遊びを援助する(静かな遊び、活動的な遊び)。
④ 生活リズムを整える。
⑤ きちんとした食事をとる。
⑥ 楽しいことを計画する。
⑦ リラクセーション法を用いる(次項で呼吸法を紹介します)。


<保護者の場合>
① 誰かに話して支えてもらう。
② 必要な情報を得る。
③ 適度な休養と栄養をとり、活動する。
④ 建設的な気晴らしをする。
⑤ できる範囲でいつものスケジュールを維持する。
⑥ しばらく動揺するのは当たり前だ、と自分に言い聞かせる。
⑦ 楽しいことを計画する。
⑧ 誰かと一緒に時間を過ごす。
⑨ リラクセーション法を用いる(次項で呼吸法を紹介します)。
⑩ 専門家に相談する。
⑪ 日記を付ける。
⑫ 状況をよくするためにいますぐできる、何か現実的なことに集中する。
⑬ 過去に上手くいった対処法をやってみる。
11.簡単なリラクセーション法(呼吸法:子どもに指導する場合)
① からだを気持ちよくする息の仕方を練習しましょう。
② 片方の手を、こんなふうにお腹のうえにおきます。
③ できたかな、そうしたら鼻から息を吸いましょう。
④ 息を吸うと空気がいっぱい入ってきて、お腹がこんなふうにふくらむよね。
⑤ 今度は、口から息を吐きましょう。
⑥ お腹がこんなにぐーっとへこんでくるね。
⑦ 風船になったつもりで、気持ちよくゆっくりと、お腹を空気でいっぱいにして、それから
ゆっくりはいてみよう。
⑧ 先生が三つ数えます。そのあいだ、ゆっくりゆっくり息を吸って、また先生が三つ数えた
ら、ゆっくりゆっくり息を吐いて。じゃあ、一緒にやろう。はい、よくできました!
12.怒り(ストレス反応)に対する適切な対処法
<子どもの場合>
① 気持ちを静める(その場から遠ざかる、しばらく別のことをする)。
② 自分がなぜ怒っているのか、話してもらう。
③ 活動的な遊びを通して怒りの感情を発散する。
④ 静かに音楽を聴く、絵本を読むなど静かな遊びをする。


⑤ 絵を描く、歌を歌うなどの創造的な活動をする。
<保護者の場合>
① 気持ちを静める。
② 自分がなぜ怒っているのか、話してもらう。
③ 運動で気分転換をする(散歩、ジョギングなど)。
④ 日記を付けて、自分がどう感じているか、状況を変えるために何ができるかを書く。
⑤ 起こっていると、大切な人間関係も傷つくことを思い出す。
⑥ 読書する、瞑想する、楽しい音楽を聴く。
⑦ 気分が晴れるようなグループ活動に参加する。
⑧ 困っている人を援助するなど、建設的な活動で気分を紛らわせる。
⑨ 自分の状況について別の見方をしたり、他人の視点から眺めたりして、自分の怒りがそこ
まで高まった原因を考える。
⑩ 一時的に、子どもの世話を他の家族に任せる。
13.子どもや保護者を他の機関に紹介する
① 「必要としていること」「困っていること」に関する情報を、文書にまとめる。
② まとめた情報が正確か確認する。
③ 紹介先の選択肢を保護者に提示するとき、どの機関がどのような点で役に立てるか、そこ
に行けばどんな援助が受けられるかを伝える。
④ 保護者に、提案した紹介先に対する印象を尋ねる。
⑤ 紹介状を用意し、可能ならばその場で予約を入れる。
⑥ 保護者が紹介した機関をどのように利用しているか追跡確認する。


4)福島かずえさんから その1


皆さまへ

私も、この3週間、夢中で避難所や被災のひどかったところ、(六郷や七郷、蒲生、
緑が丘地区)、近所(町内会長代行なので)、市役所、区役所、県庁など、
ぐるぐるまわって、救援活動しています。

日々、仙台のまちの中が復旧されていくにつれ、被災地とのギャップが大きくなって
いくように感じます。
まだまだ、市内でもガレキが放置され、行方不明者の捜索も十分に行われていないの
に。

11日以来、ずっと、長靴で出かけています。長靴でないと、危険なところ、歩けない
ところに行くからです。
でも、市役所周辺では、違和感もあるようになりました。

仙台市は大きいので、被災の体験も様々です。
家も、生産手段の田畑も、家族も失った人たちが、孤立しないよう、市民全体で共有
し、支え、
一緒に乗り越えられるようにしていかなければ…と強く思っているところです。
写真でどこまで、伝えられるかわかりませんが、そんな思いで、深沼の写真を添付し
ました。

避難所もこの一週間でだいぶ、集約され、閉鎖されています。避難者も全市で3603人
となりました。10日間で約半分になりました。
自宅へ戻ったかたも、ちゃんと安心安全なくらしをおくっているのか、どうか、心配
です。
しょうがいのある方や家族の中には、避難所の集団生活ができず、避難所にも行けな
いで車のなかで避難し続けた…という方も少なくありません。

格差と貧困は、災害によって、いっそう拡大したように思います。

取り急ぎ、近況の報告です。


5)福島かずえさんから その2


皆さまへ

友人が送ってくれたABCのHPからの被災地のビフォーアフターです。
なんともいえない、おどろくばかりの映像です。
以下をクリックしてみて下さい。縦の黒い線を左右にドラッグすれば前後に切替ります。

http://www.abc.net.au/news/events/japan-quake-2011/beforeafter.htm

全部見るには、ずいぶんエネルギーが必要です。荒浜仙台…というのが、深沼です。
藤塚、「ゆりあげ」もあります。
いっぱいあった松の木、防潮林が、根こそぎなくなっているのがわかります。




0 件のコメント:

コメントを投稿